長谷川利行展

- ごあいさつ -

　この度、鈴木大吉氏のコレクションを中心に、長年の念願で
あった長谷川利行の展覧会を開催いたします。
　戦前、龍泉寺町で鈴木医院を営んでいた鈴木大吉氏のご両
親、鈴木達夫・うた夫妻は生前の長谷川利行と交流があり、多
くの作品を所蔵することとなりました。
　その後の経緯は鈴木氏の手記に譲るとして、鈴木家と利行作
品の物語は、彼の作品の持つ不思議な力を如実に現していると
思います。この力こそ多くの物故作家が時の評価の中で淘汰さ
れていく中、今なお新しい世代のファンを獲得し続けている原動
力であり、この展覧会でそれを十分に感じ取っていただければ
幸いです。
　そしてこの展覧会が東京展として長谷川利行の本家本元であ
る羽黒洞様にて開催できますことは、私の望外の　喜びです。
今日の利行評価の礎を築いたのが、先代店主　故木村東介様
であることは万人の認めるところであり、私　も、店主木村品子
様からお聞きした命懸けで利行作品　を戦火から守った疎開の
お話を生涯忘れません。
　最後に鈴木大吉様、木村品子様はじめ各所蔵家の皆　様、ご
協力くださった皆様に御礼を申し上げまして、私のあいさつとさせ
ていただきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　2014年11月　フクヤマ画廊　福山茂

- 図録のご案内 -

「長谷川利行展」図録

48ページ（21×21cm）　500部限定
カラー作品図版41点掲載

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