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村上華岳 「青山雨収」
紙本・彩色 1934年
247x455mm
左上に落款・印
共箱
「村上伸」氏鑑定登録済み


<参考文献>
大阪美術倶楽部 展観入札売立会 No.6 出品(1962年)


禅語に「雨収山岳青」(あめおさまりてさんがくあおし)というのがありますが、まさにこれが画題となっています。雨上がりの霧たなびく深山(どことなく青く見えますね)の風景は、何ともいえない幽遠さを帯び、鑑賞する私たちの心もきれいに洗われる様です。

禅語の「雨収山岳青」は自然の快い光景を詠ったものですが、山を「仏性」に、雲を「煩悩」に擬え、煩悩が消えて仏性が明らかになった悟りの境地を表していると解されています。くだけて言うと、雨が上がった後の青々とした山々の姿は、困難や障害が去った後の心の平穏や清新さを表しています。

この作品が制作された昭和9年前後から、華岳の山水画は完全に彼独自のものになっていきます。
その独自性により誰も到達できなかった世界に達し、その作品世界は、たとえば「具象か抽象か?」みたいな一般的な区分をはるかに超えています。
昭和9年には以下の言葉を残しています。

「私が去年あたりから試みている山水画は、その心持ちに於いて、表現に於いて、まず私の山水画といえるもののように思っている。」 (昭和9年 <山水遊魂> 『画論』より 村上華岳の言葉)

この様に自身の画業に迷いなく取り組んでいる華岳の心持ちが、この絵に表れているのではないでしょうか。まさに自分の心の中の宇宙を山に託して、雨(迷い、悩みなど)が止んで、美しい青山(平穏、自信など)が現れる風景を見事な筆使いで描いています。

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